最期の嘘。


僕は嘘つきだ。

「昨日の晩御飯はカレーだったよ」
本当はハンバーグだったけど。一緒だね、なんて笑ってる君は酷く滑稽だ。

「今日の体育は君の好きなバスケだって。良かったね」
本当は君の苦手なサッカーだけど。そんな事とは露知らず喜ぶ君は余りにも単純だ。

「明日の天気は雨だって。傘を持って来ることをお勧めするよ」
本当は快晴なんだけどね。君は僕の言葉を信じて天気予報を見ないだろう。

「次のテストの範囲はP126からだよ」
実はP125までだけどね。僕の言葉を聞いて必死にメモを録る君を隠れて嘲笑する。

「明日君の好きなAくんが、君に話があるってさ」
例えそうだとしても君には絶対に伝えはしないけどね。つまりは嘘さ。

「Aくんって青色が好きなんだって。だからプレゼントは青色の物をあげるといいよ」
Aくんは赤色が好きなんだって。本当は青色は嫌いなんだってさ。ありがとうと笑む君が酷く憎かった。


「僕ね、本当は、君が大嫌い」
嘘だよ。本当は大好き。


僕の最期の嘘に君は泣きながらも笑ってみせた。あぁ、無知な無垢こそ馬鹿で愛くるしい。





---------
シンプルな本文レイアウト
パソコンと携帯からでは見え方が違います。
本文の部分を#text#に置き換えて使用してください。
上部の「最期の嘘」のとこには#title#を、下部の灰色文字部分は必要なければ消してください。

- ナノ -