2015/05/24 00:22
ある日、何時も通り部屋に来た親友に。余計なモノがついていた
「‥なんだそれは」
「何って、あの、」
親友の、タクシーの青い瞳は涙で潤んでいて。今にも泣き出しそうなのに比べで、余計についてきたソレは。タクシーの右腕に自らの腕を絡めてピッタリと寄り添うように、擦り寄るようにして。
満面の笑顔で、さも、当たり前のように言った
「うふふ、私の事ならお気になさらず。私ね、このヒトの恋人になったのよ」
「‥‥勝手についてきて離れなくなった今回のゲストさんだ‥」
片や笑顔、片や今にも泣き出しそうな顔。一目見ただけで、タクシーが厄介なのに捕まった事がハッキリとわかった。
勝手についてきた、とは、言うものの。無理矢理引き離そうとはしていない。というか、コイツの性格上。そういう事が出来ないのだろう
見るからに困っているにも関わらず。女の言葉に何かしらの返事や相槌を打っている
「タクシーさん、だぁいすき」
「‥‥あの、お客さん俺は」
「私が此方の世界に残ったら。貴方とずっと一緒に居られるなんて。私幸せよ」
「だから、」
「ちょっと良いかしら?」
「はい?」
手を招いてタクシーを屈ませた女が、そのまま。俺の目の前で、タクシーにキスをしたのを見て
ズキンと。右目が割れたあの時のような痛みが、俺の胸に突き刺さったような気がした