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2012/09/15 15:10

肩程まで伸びた少し長めの髪を梳かしてやりながら、パブリックフォンは楽しそうに笑っている

「髪、伸びたな」

「誰かさんが伸ばせ伸ばせって煩かったからだろ」

「だってオレ髪少し長い方が好みだから?」


人の髪を弄るのが好きだというパブリックフォン。丁寧に丁寧に、恋人の髪を梳いて

勝手に束ねては解いてを繰り返す


「遊ぶな」

「やだ、楽しい」

「‥‥そんなに楽しいなら今度人形買ってやるから。それで遊べ」

「えー!王子のケチ!」

「ケチじゃねぇよ、人形買ってやるって言ってるじゃねぇか」

「人形なんていらねぇよ。オレは、王子の髪で遊びたいの!」

「人の髪を玩具にすんなよ!」

触るな、触らせてくれと。ある程度二人でぎゃあぎゃあと騒いだ後

ミラーマンが、ああもう良い。勝手にしやがれと折れれば

パブリックフォンはまた、嬉しそうに彼の髪を弄り始める


「なぁなぁ王子」

「‥何だよ」

「髪、ハーフアップにしねぇ?」

「却下。お前どれだけ俺にアイツを重ねれば気が済むんだよ」

「んだよ、そういうお前だって俺とアイツ重ねて見てるじゃねぇか」


あえて名前は口に出さない。けれど、それが一体誰を示すのか

互いに伝わっているので、それで十分


「そんなに髪弄りたいなら、自分の髪伸ばせよ」

「何言ってんだよ。オレが髪伸ばしたら、お前が嫌がるだろ?アイツは髪長くなかったからな」

「‥うるせぇよ」


ケラケラと笑いながらパブリックフォンは、ミラーマンの髪から手を離し

「何時か絶対ハーフアップにしてやるから、覚悟しとけ」


と、宣戦布告をするのだった



(俺、しつこい奴は嫌いだぜ)
(マジで?お前に嫌われんのはやだなぁ)