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イトル未定
06

興奮して眠れるか心配であったが、ナマエとの夕飯を妄想していたらいつの間にか寝入っていた。
仮眠室のベッドで仰向けになったまま腕時計を見ると、定時30分前だったため身支度を始めようとそそくさと起き上がった。
更衣室に行くと、行動パターンが似ているのかチームメイトと顔を合わせた。
ひとつの任務が終わって皆どこか落ち着いた表情をしている。
俺はいつもと同じように着替えを済ませて、一方で身だしなみは念入りに整えてから、挨拶の言葉と共に廊下へ出て行った。
今日は普段から隊長やチームメイトと行っている店に行くつもりである。
俺たちが飲み食いする店の1階は大抵騒々しかったが、今日は当然そのようなところにはナマエを通さない。
2階にある、テーブルごとに区切られた座席を予約してあるのだ。
財布に携帯端末、車は駐車場に置いておくがキーケース……、忘れ物は無い。
自分でも不思議なくらい浮かれているのがわかり、訓練と任務の毎日に降って来た非日常的な出来事がめずらしくて楽しみに感じてしまうのであろうと思った。
たまにはこうした日があっても良い。
今一度、シャキッとするよう自分を落ち着かせ、エントランスへと急いだ。

「ナマエ」

作業着から私服に着替えた彼女は、シンプルな服装であってもどこか華やかだった。
それは、俺とは異なる透き通るような肌のせいなのか、それとも艶やかな髪のせいなのか、とにかく目の保養には違いなかった。

「上手い店があるんだ」

そう言って歩き出せば、ナマエは瞳を輝かせて楽しみだと言う。
ジルさんともこうやって食事に行ったりするのだろうか。
俺が彼女のことを二人に尋ねたように、ナマエも俺のことを聞いてくれたりしたのだろうか。
彼女への興味は尽きなかったが、追々深く知っていけたら良いと思う。


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