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イトル未定
02

二日酔いなのか、やや重い頭を熱いシャワーを浴びて何とか覚醒させる。
隊長は今日休みだったのでまだ寝ているはず。
今日はここから歩いて出勤しなければいけないので、俺は目が覚めてから急いでバスルームを拝借していた。
リビングに新品である男物の下着とタオル類を用意しておいてくれたジルさんに感謝し、体に残る泡を流して脱衣所へのドアを開けた。
すると、そこには見知らぬ女性の後ろ姿が。
というより、顔を洗っているのか前屈みになってこちらに尻を向けている。
ハーフパンツから伸びた脚を下から上まで舐めるように見つめてしまった。
男ばかりの職場の俺にとっては朝から刺激が……、いや何を考えているのだ。

「タオル……どこだっけ」

蛇口を閉め、突如上体を起こした彼女は、目を固くつぶったまま手を彷徨わせている。
急いでシャワーを浴びていたことも忘れ、何故かぼーっとその動きを見続けていた。
そして、彼女の手が俺の腹に触れる。

「ん?ええ!?」

手触りに違和感を覚えたのか閉じていた目を勢いよく開き、その数秒、俺たちは視線を合わせて固まっていた。

「あ……もう、具合は……」
「……ああ、酔いはさめてる」

やはり、昨夜、水を与えてくれたのはこの女性か。
輪郭に沿って滴る水滴もそっちのけで、こちらを見上げて固まっていた彼女は俺の返事を聞いて安心したように視線を下げたが、その途端ギョッとした表情で脇を向き、先ほど探していたタオルを掴んで脱衣所から駆け足で出て行った。
そういえば、俺は素っ裸であった。
彼女の触れた腹に自分の手を置いてみる。
普段、一目に触れることなど無いが日頃から鍛えておいてよかったな、等しみじみ思ってしまった。
そして、彼女に昨日のお礼を言いそびれたことを思い出した。


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