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イトル未定
01

泊まり込みの仕事になる予定であったが、運良く残業を終わらせることができた俺たちは、いつもの店で軽い打ち上げを兼ねて飲みに来ていた。
調子に乗って強い酒を何杯も煽ったせいで、珍しくつぶれてしまい、隊長に介抱してもらいながら帰路についている。
申し訳ないやら情けないやらで隊長の肩を借りていたのだが、一方で意識は朦朧としているのでそれ以上のことは考えられなかった。

「ほら、着いたぞ」

隊長が自宅の鍵を開ける音が遠くで聞こえ、呼びかけに頷きたかったがやはり体は動かない。

「ジルー?あ、せっかく泊まりに来たのに酒臭い野郎が増えてすまんな」
「いいえ、ちょっと待っててください」
「もう、もっと早く連絡しなさいよ」
「ジルは寝るとこ用意してきて、お水は私が」

恐らく、隊長が上着を脱がし始めてくれたので、少しだけ身軽になった。
そして、玄関に座り込んでいた俺の口元に冷たいガラスが触れた。

「えっと……」
「ピアーズ、水だ」

その後すぐに口内に少しずつ水が入って来て、その冷たさが心地よくてひたすら喉を鳴らして飲み込んだ。
意識に反して瞼が重くて確認できないのだが、隊長とジルさんの他に誰かいるのだろうか。
知らない声と甘い香りが気になって仕方ない。
しかし、眠気に勝ることはなく、俺はジルさんが用意してくれたソファに連れて行ってもらうとすぐに寝入ってしまった。


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