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このフェテス村で一番大きな広場。中央広場は催しがある際に使われる確率が高い。
今日も沢山の人でごった返ししている。
と言うのも、今日はこの村で一番大きな催しと言っても過言ではない催しとも呼べる式典が行っているからだ。
『離村式』
そう大きく書かれた旗が風ではためいていた。
長机の上には小さくも大きくもない紙が置いてあり、そこには離村式に出席する者の名前が書かれてあった。
その紙を真剣にみる金色の少女が一人。
ユノア、シリオス、シータ…指を辿って名前を探すが、やはりあの二人の名前は見当たらない。
「書いてない…」
溜め息と一緒に呟き、不安気な顔をしながらその少女は顔を上げた。
ぱっちりとした紫色の瞳は愛らしく、金の髪は腰までと長い。髪よりも長い赤いリボンでサイドの髪を後ろで結っており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
服装は薄紫を基調とし、所々にレースやピンクのリボンでアクセントが付いている、とても可愛らしいワンピースを着ていて、その腰には白い布を巻き、その布の間に、手紙などが挟んでいた。
「イリスもエリスも…どうしちゃったんだろ…」
今日の事を忘れたのだろうか?
そう思ったがあの二人は今日と言うこの日を、幼い頃から首を長くして待っていたのだ。そんなはずはない。
もう何人もの人がこの村を出ていった。あの二人も同じくこの村を出るはずなのだ。受付の時間もすでに終了の時刻を差そうとしていた。その時「シャーリー!」と、名を呼ばれると同時に、後ろから勢いよく誰かが抱き付いて。
シャーリーと呼ばれた少女は、腰あたりにある暖かさに、すぐにそれが誰かが分かった。
「アーガテイ? どうしたの?」
シャーリーは然程驚いてはいない様子で、アーガテイと呼んだ子を確認するように後ろを向いた。
短い髪からの不自然に伸びるツインテール。茶色の髪色と同じ色をした猫目のまだ年端もいかない女の子がいた。
中には白のアンダーシャツを着ていて、その上から半袖の青いジャケットを着ている。
襟には、二本の黒いラインがあり、腕の所には王都・シャルトの刻印が彫られているボタンが付いていて、太股までの短いズボンに、膝よりすこし上の青いブーツを履いていた。
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