1866年(慶応2年) 3月10日(新暦4月24日) ・薩摩、天保山に到着し、西郷隆盛、小松帯刀、吉井友実邸に滞在する。 3月16日(新暦4月30日) ・船で浜之市港に寄港し、日当山温泉に宿泊。 ・小松帯刀夫妻は3月14日より4月8日まで25日間霧島栄之尾温泉へ湯治に出発。 3月17日(新暦5月1日)※1 ・塩浸温泉に到着、11泊して手傷の治療湯治をする。 3月28日(新暦5月12日) ・霧島温泉郷内の栄之尾温泉に滞在中の小松帯刀を見舞った後、硫黄谷温泉に宿泊。 ・『霧島館』武右衛門は、シャモ(薩摩軍鶏)をつぶし、薩摩料理として二人を歓待した。 3月29日(新暦5月13日)※2 ・高千穂峰に登山、スケッチをした後、霧島神宮に参拝、神宮の別当・華林寺の宿坊に宿泊。 3月30日(新暦5月14日) ・硫黄谷温泉に戻り宿泊。 4月1日(新暦5月16日) ・塩浸温泉に戻り7泊する。 4月8日(新暦5月22日) ・日当山温泉に戻り3泊する。 4月11日(新暦5月23日) ・浜之市に戻り船待ちで1泊する。 4月12日(新暦4月24日) ・薩摩に戻り、小松帯刀の原良別邸に約50日間滞在する。 6月2日(新暦7月13日) ・桜島丸で天保山より出港し、帰途につく。 ※1 江戸後期の資料によると、塩浸温泉は刀や斧による傷などに薬効があると記されている。 『蔭見滝(犬飼の滝)や塩浸温泉はこの世の外かと思われ候ほどめずらしき所なり。谷川の流れにて魚を釣り、短筒で鳥を撃つ。誠におもしろかりし。』と姉、乙女宛に手紙を残す。 犬飼滝は、鹿児島弁で『いんけん滝』と言い、それを聞いて『陰見の滝』と当て字したよう。 周辺の妙見温泉、和気湯、安楽温泉など温泉めぐりも楽しんだ。 ※2 高千穂峰(1573m)の頂上にある、ニニギノミコトが降臨した際に逆さに突きたてたという『天の逆鉾(あまのさかほこ)』 一面化粧をしたように綺麗に咲き誇るミヤマキリシマツツに感動し、鬼面を削りこんだ長さ1.5mの銅製の剣を見て、『思いもかけぬおかしな顔つきの天狗の面である』と言って二人で大笑いしたり、引き抜いて戯れた。 『馬の背越え』では、お龍の手を引いて歩いたと姉、乙女宛の手紙に残す。 建国神話の主人公であるニニギノミコトが祀られている古社、霧島神宮参拝に訪れ、樹齢千年近い御神木の大杉を眺めた。 ※ 「西洋には結婚したら夫婦二人で旅行に出掛ける『新婚旅行』と言う物がある」と師である勝海舟から聞き、新婚旅行に行ったとも言われている。 鹿児島市原良の小松帯刀別邸には、薩長同盟がなる約一年前の慶応元年(1865年)5月に龍馬は宿泊しており、そこで薩長同盟の構想が練られたのかも知れない。 |