【恋人は御曹司】

にゃあ〜

「よしよし、いい子だ」

校舎の裏庭に行くと、いつものようにちぃちゃんを抱き上げ撫でている潤さんの姿があった。

「ふふっ。ちぃちゃん、すっかり潤さんになついてる」

「今日も俺の方が先だったな」

「最近、課題が多くて。講義が終わってから図書館に行ってるの」

にゃあ〜

潤さんに頭を撫でられて、気持ち良さそうに喉を鳴らすちぃちゃん。

「ああ、試験がんばれよ」

「潤さんは余裕だね。ちぃちゃんも私よりも潤さんの方がお気に入りみたいだし」

「ヤキモチ?」

フッと笑って呟く潤さんの表情は意地悪そうに見える。

「赤点取ったら、お仕置きするよ?」

「えっ?」

スッと顔を近づけ、息がかかる距離で潤さんはそう告げた。

「…期待してる」

「期待って…赤点取ることを?それとも…」

「じゃあ、それも課題ね」