【朧月】
ひらり、目の前を薄桃色の花びらが舞い降りてゆく。
庭の真ん中で、七分咲きの桜が一本、まだ冬の名残を残す夜の帳に身を潜めるように佇んでいた。
視線を空へと移すと、やわらかく霞む朧月。
ふわりとあたたかい、心をそっと包み込んでくれるような、そんな穏やかな夜だった。
―
幕恋アンソロ企画
*← →#
bkm
/
back
/
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -