ピシャン。

昨夜降った雨の雫が、水溜まりに弾けて、静かに音を立てる。

すうっと冷たい朝の空気が、締め切った窓から伝わってきて。

わたしはゆっくりと身体を起こした。

「……星を砕く木には水を、想いを砕く薔薇に愛を……」

そっと口をついて出たのは、昨夜聴いた歌のフレーズ。

隣には、やわらかく寝息を立てる温もりがあって。

うっすらとカーテンの隙間から差し込む光に、長い睫毛が影を落としている。

その穏やかな表情も。

わたしを包んでくれる腕も。

温もりも、声も。

切ないほどに甘い吐息も。

あなたの熱も。

「……愛してる」

ただ、それだけで。

でも、それだけでは足りなくて。

小さくつぶやいて、触れるだけのキスをする。

きゅっと疼く胸を押さえて。

ほんの少し、目を閉じて。

あなたの鼓動を感じる。

あなたと同じ朝を。

あなたと、同じ香りに包まれて








「……紡?」

不意に、わたしの名前を呼ぶ声が響いて、顔を上げると。

A:桐谷翔(ダーリンは芸能人)

B:砂原智也(ルームシェア素顔のカレ)

C:宝来和人(ルームシェア素顔のカレ)

D:鴻上大和(誓いのキスは突然に)

(引用:「Little Traveler」初音ミク)



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