送られて来たFAXには、翔くんと、それから両方の社長のサインが書かれていた。

『一緒に交際宣言しよう』

あの日に交わした約束を、翔くんは果たそうとしてくれている。

そして、それを見守って応援してくれる人たちがいる。

わたしは手にしていた紙片をもう一度開く。

心の中にまだかすかに残っていた不安。

それがゆっくりと消えていって。

ふわりと室内を包むように流れ込んで来た爽やかな夏の風のように。

優しい幸せがわたしを満たしていくのだった。

翔くんからのメッセージと共に。


詩季


君がいてくれたから、この歌があり

君が笑ってくれたから、俺が笑っていられる

君が信じてくれたから、俺は強くなれる

君と出会えたから、俺は人を愛することを知り

誰かを守りたいと初めて思った

そして君を想ったからこそ、この歌が生まれた

俺はずっと、ファンのみんな、Waveのメンバー

家族や周りの人たちに支えられて立って来られた

そんな俺の背中を、君はそっと前に押し出してくれた

俺が一人の人間として、男として、少し成長出来たとしたら

それは君のお陰です

たくさんの人に支えられて生きて来た俺と

一緒に未来を歩いて行ってくれませんか

たった一人の君を守りたい

この想いが君に

そしてこの手紙を読んでくれている人みんなに、届きますように……

桐谷 翔



――End.



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