「っは…詩季、力、抜いて…」
狭いわたしの中を、ゆっくりと押し開いて。
労るように優しいキスが降り注ぐ。
雨に濡れて冷え切っていた体は熱を含み。
もう、あなたが欲しくてたまらない。
好きだから。
愛してるから。
ここがどこかなんて、もう関係ない。
それくらいに、今日のわたしたちはどこか違っていた。
それは、一年に一度だけ。
星降る夜の、愛し合うふたりを予感してのことかもしれない。
「はぁ…あっ…一磨…っ」
体の奥から溢れ出す熱。
口をついてこぼれ落ちる甘い吐息。
絡み合う水音。
跳ねる体と、揺れる視界。
こうして体を重ねる度に、想いは強くなって。
幸せなのに、怖くなる。
離したくない。
ずっとこのままでいたい。
「もっと…愛して…っ」
体を支えていた手を、彼の首に回して体を預けると。
絡み合う熱が角度を変えて、わたしの一番深い場所を刺激する。
「っあ…ああっ…一磨っ」
ぶつかる肌の間から、溢れ出した熱が水音を響かせて、床にこぼれ落ちた。
「はっ…詩季…っ」
彼の口から漏れたわたしの名前。
掠れたその声に、彼の限界も近いことを悟って、首に回した腕に力を込めた。
ぐいっと腰を抱えられて、一番近くに彼を感じる。
「あぁっ、ん…一磨、あ…あああぁっ!」
「詩季…っ!」
こらえきれない、声にならない声が響いて。
ギュウッと体の奥深くが締め付けられる。
体がしなる。
駆け巡った電流に体が震えて。
ドクンと彼の熱が脈打ったのを感じた。
「…詩季、見てごらん」
「…わ、あ…キレイ…」
「…織り姫と彦星、会えそうだね?」
「…うん…」
―End.
2012.7.2