「詩季は、ここが…好き?」
「はっ…やだぁ…言わないで…っあぁっ」
顔を上げてそう尋ねると、頬を上気させた君の恥じらう声が届く。
もっと感じてほしい。
もっと君を見せてほしい。
留める術を無くした想いがあふれて、俺の指先は甘い蜜の中へ溺れていく。
温かくやわらかな感触に包まれれば、自然と性急する体。
甘く誘う君の香りに酔っているのか。
それとも、あの瓶の中に入っていたものに酔わされているのか。
「あ…一磨…や…ああぁっ…!」
大きく揺れた君の体が硬直して、まるでスローモーションのように崩れ落ちた。
「…ごめん…詩季…でも…もう、抑えるのは無理みたいだ…」
きゅうっと締め付ける指先を引き抜けば、床に滴るしずく。
呻くようにそう言った俺を、ゆっくりと目を開けた君の、穏やかで艶っぽい瞳が見つめ返した。
「一磨…愛してる…だから、大丈夫…」
ごめん。
俺はどうかしてる。
感情任せに、君を抱くなんて、なかったのに。
でも、止められそうにない。
優しい君を傷つけたとしても。
今は君をもっと近くに感じていたい。