「あっ…んん!」
気がついた時には、わたしは壁に押し付けられていて。
噛み付くようなキスがわたしの中を犯していく。
「夏…んっ…はぁ…」
声と共に唇の端からふたりの絡み合う熱が滴り落ちる。
服の隙間からするっと進入した指先が、ゆっくりと背中を這うように上がっていって。
プツリと胸の圧迫感がなくなるのと同時に、胸元にチリッと痛みが走った。
「…っん」
ビクンと体が反応してしまうのが恥ずかしくて。
けれどその繊細な指の動きに翻弄されて、もう何も考えられない。
「…あっ…はぁっ…」
太ももを伝って、長い指先が捕らえた、敏感な場所。
その指が、まるでギターを奏でるかのように振動を与えて。
「あ…ああぁっ」
体に電流が走り抜ける。
ぐっと反り返った背中を、片方の腕が引き寄せて。
あまりの快感で崩れ落ちそうになった体を割って、彼の熱がつき立てられた。
「はあっ…はぁっ…なつ、き…さん…」
体が熱い。
高ぶった熱がはけ口を求めて、わたしの中をさまよっている。
伸ばした手で首にしがみついたわたしの片方の膝を、彼の腕が抱え上げて。
「…あああ…っ!」
次の瞬間、下腹部を強い圧迫感が襲った。
「っ…詩季…っ」
揺れる視界。
こらえきれない熱い吐息が室温を高めて。
汗ばんだ体のぶつかる音。
交わった場所から滴る水音。
「はぁっ…ああっ…や…だめ…あぁ…っ」
「はっ…はぁっ…詩季っ…」
大きなうねりに飲み込まれそうで、無意識にぎゅっと彼の頭を抱きしめた。
限界を察した彼が、角度を変えてわたしの一番深い場所を刺激する。
「やっ…夏輝さ…っ!!」
「…詩季…!!」