「春っ…だめ…もうっ…お願い…」
否応なしに舌と指で高められた体が、熱くて、熱くて。
体の奥深くから沸きあがってくる何かが弾けそうで。
思わず彼の頭をかき抱いた。
「…いいよ…詩季…キミが気持ちよくなるところを…見せて」
言葉と共に、わたしの中を乱す指が速度を増して。
勝手に体が弓なりにしなり。
「っ…あ…春っ、春…や…あああ…っ!」
目の前がチカチカと白く光ったと思った。
ぎゅうっと体の奥が締め付けられる感覚と。
弾け飛ぶ水音と。
急激に襲ってくる脱力感。
ソファに崩れ落ちたわたしの視界に色が戻って来たとき。
映ったのは、彼の熱く濡れた瞳と。
まるで何かをこぼしたかのようにぐっしょりと水の滴る手。
「…キミの…」
「はぁ…はぁ…春…?」
何かを言いかけて黙ってしまった彼は、問いかけたわたしの頬をもう片方の手でなぞって、ふっと笑った。
「…いや、こんなに濡れてしまったな…」
濡れた手を見つめてそう言うと。
その手をすっと唇に近づけて、ペロリと雫を舐め取った。
「…詩季の味がする…キミの蜜の…」
「…っ!!」
途端に、何を言われたのか、何を意味するのか、気づいたわたしの全身がカアッと熱くなる。
「…もっと見せて。もっと感じて…俺しか知らないキミを…」
「春…?」
余韻を残したままの力の抜けた体が、ぐるっと反転させられる。
うつ伏せの体をぐっとソファに押し付けられて、腰をぎゅっと引き寄せられた。
「あああっ!」
体に衝撃が走り抜ける。
熱く、深く、張り裂けそうな痛みにも似た感覚と。
しなって震える体。
呼吸も忘れてしまいそうだった。