「……四葉……?」

(あ……れ……?)

ハッと気づくと、私を覗き込む裕ちゃんの顔が目の前にあった。

「あ、れ……?私……」

パチパチと瞬きをする私を見て、ハハハッと裕ちゃんは笑った。

「寝ぼけてる四葉もカワイイなぁ。でも……起きてくれて良かった」

「あっ!ご、ごめんね、裕ちゃん……」

恥ずかしくなって目を伏せると、私の頭をそっと大きな手が撫でてくれる。

「いや、ごめんな。オレがこんな夜中に呼び出しちゃったから」

その言葉に、私はハッとして口を開いた。

「あっ、裕ちゃん。今……何時?」

「ん?今……ちょっと待ってな。えーっと……12時1分だ」

「あ……」

枕元に置いていた携帯を開いてそう言った彼の言葉に、私の目は一気に覚めた。

そして、慌てて胸に隠し持っていたものをゴソゴソと取り出し、彼の目の前に差し出す。

「裕ちゃん……お誕生日おめでとう」

「えっ?」

キレイにラッピングされた袋と私の言葉に、一瞬動きを止めた後、パッと満面の笑みを見せて裕ちゃんは私に勢いよく抱きついた。

「四葉!」

「キャッ!」

ドサッという音と共に私の視界はぐるりと一回転し、仰向けになった私の上に覆い被さるように彼の身体が倒れ込んできた。

「ゆ、裕ちゃん……」

「わっ!ご、ごめん……寝袋だって忘れてた」

狭い寝袋の中で突然動いたせいで、私たちはバランスを崩して寝袋ごと転がってしまったのだ。

「ごめん……でも、ありがとう。すっごい嬉しい!……開けていい?」

「う、うん……」

裕ちゃんは私の隣に座ると、丁寧にラッピングをほどき始めた。

バクバクと激しい音を立てている胸を抑えながら、私も身体を起こす。



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