オレンジ色に染まった水面が、キラキラと光ってまぶしくて。
水平線に沈んでいく大きな太陽に目を細めた。
「……一磨?」
ギュッと、不意に肩を抱き寄せられて。
隣に立つ彼の顔を見上げる。
すると、向けられていたやわらかな微笑みとまなざしが。
スッと真剣なものへと変わり。
間近にあるその瞳から、目が離せなくなる。
吸い込まれそうなくらいに、真っ直ぐで強い意志の宿る、彼の視線。
「…………」
わたしたちの間を、風と波の音が通り過ぎていく。
沈んでいく太陽が、最後の光を放ったその瞬間。
「結婚しよう」
「……えっ……」
ふわっと吹きつけた風に髪が巻き上げられて。
一瞬、思考が止まった。
「この景色を、あの歌を聴きながら、来年も再来年も、ずっと一緒に見ていたいんだ」
「一磨……」
「詩季、結婚しよう」
「……うん」
“君にしかあげられない、たった一つのプレゼント
この気持ち全てあげる、両手広げ受け止めて
終わらない情熱を波に乗せてflyaway”
――End.