・「久しぶり」 ・穏やかに微笑む潤さんの笑顔に、じわっと目頭が熱くなる ・なんでいなくなっちゃったの?一ヶ月も、どこに行ってたの?と尋ねる主人公 ・「心配かけたな」 ・「俺なりのケジメをつけなきゃいけないと思ってたんだ」 ・「今までの俺を捨てて、生まれ変わんなきゃいけないってそう思ったんだ」 ・「それには、一人になる時間が必要だったんだ」 ・「連絡もしなくて、悪かった」 ・「今日は大事な発表があるんだ。○○にも聞いてもらいたくて、来てもらったんだ」 ・「ここにいて。ここで僕を見ていて」 ・係員が呼びに来て、スポットライトの当たるステージへと向かう潤さん ・係員が、New HONGOホテル総支配人・本郷潤よりご挨拶があると紹介 ・「皆様、本日はお集まり頂きましてありがとうございます」 ・「皆様のおかげでこのホテルを開業させて頂くことができました。本当にありがとうございます」 ・「本日はホテル開業のご報告と併せてみなさまに発表がございます」 ・チラリと舞台袖に目をやり、そこにいた潤さんのお父様が潤さんに向かって小さく頷く ・「このたび私は…本郷グループの次期総裁に任命されました」 ・「そして、悩んだ末に…この指名を受けることにいたしました」 ・「今すぐではありませんがいずれ、総裁として、グループを率いて参る所存です」 ・「正直、私はずっと迷ってました。私のような未熟者が本郷グループを背負っていけるんだろうかと。無理なんじゃないかと」 ・「でも、そんな迷いを吹き飛ばしてくれたのが…そこにいる、彼女です」 ・会場の視線が一気に主人公に集まる ・「彼女の存在が、私の背中を押してくれました」 ・「今回の決断は、彼女なしでは成し得なかったものです」 ・「○○、ありがとう」 ・パチパチと拍手が始まったかと思うと、わぁっと会場中が歓声に包まれ、その中を真っ直ぐに歩いてくる潤さん ・「ありがとな、○○」 ・嬉しくて涙が止まらない主人公 ・「そんな顔しないで。さ、行くよ?」 ・「俺の出番はもうおしまい」 ・「皆様、今後とも温かいご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます」 ・そう言い残して主人公の手を取る潤さん ・「さあ、○○」
・潤さんに連れられてきた場所は、あのお兄さんが眠る丘の上 ・「俺たちがこうして一緒にいられるのは…兄貴のおかげだから」 ・「こんなに早く墓参りに来るとは…兄貴も思ってなかっただろうな」 ・しばらく黙って、十字架に向かって手を合わせる ・「……なぁ、今、兄貴に何て言ったんだ?」 ・私たちのこと、見守っててくださいって、と答える主人公 ・「そっか。きっと兄貴なら寝る暇を惜しんで俺たちのことを見てくれるだろうな」 ・ですね。きっと今も、と主人公 ・それと、もうひとつ。潤さんのことは私に任せてくださいって言いました、と主人公 ・「なるほどね。そっか。私に任せてください、か」 ・たぶん私じゃないと、潤さんはダメだと思うので、と主人公 ・ははは、と笑う潤さんに、笑うとこじゃないですよと言う ・「面白いよ、やっぱり○○は。そんなこと言う女は、初めてだ」 ・潤さんはお兄さんになんて言ったのかと尋ねる主人公 ・「俺は、”また来たよ”って」 ・それだけだと言う潤さんに、自分のことは何も言ってくれなかったの?冷たくない?と思う ・「男兄弟なんて、そんなもんだよ」 ・それもそうね、言葉は必要ないのかもしれないと思いながら、それからしばらく海のほうを眺める ・この先、何度もこの景色を見ることになるんだろうな。何度も見に来たいな… ・潤さんの彼女でいられる限りは、きっと、何度も見に来られるだろう ・潤さんの彼女として、合格点取れてるのかなと考える主人公 ・ふいに、私の直さなくちゃいけないところって、どこですか?と尋ねてみる ・「ないよ」 ・「○○は○○のままでいてくれたら、それだけで」 ・「それに、変わられたら困るよ」 ・「俺は今のままの○○を好きになったんだから」 ・す…!?と声をあげる主人公 ・「そうだよ。好きだよ、○○」 ・真っ直ぐに主人公の目を見つめる潤さん ・「驚くことじゃないだろ。そのこと、○○も知ってるはずだろ?」 ・「そんなに焦るなよ」 ・主人公の様子に、ゆったりと笑う潤さん ・「反対に聞くけど、俺に直して欲しいとこ、ある?」 ・「なんだよ、ないのかよ?」 ・いたずらっぽく笑う潤さんに、こんな風にも笑うんだと思う ・ふと思いついて、もっといろんな潤さんを見せてほしいです、強いところも、弱いところもと答える ・「そっか。難しいけどな」 ・「……わかった。そうできるよう、頑張るよ」 ・「○○にだけだからな」 ・そっと主人公の肩を抱き寄せる潤さん ・ドキドキしすぎて心臓が止まるかも!と思っている主人公の目をじっと見つめ、優しく言う潤さん ・「これからも、よろしくな」
2010/03/13 16:36
HOME
|