Confession : scene.1

7



 告げた瞬間、やっぱりどうしても恥ずかしくなってしまい、セリスは思い切り目を背けてしまった。
 ロックの表情が見れない。
 彼は今どんな顔をしているのだろう。

 沈黙が漂う。



(―――――…?)



 何の言葉も発しないロックに疑問を感じ、セリスは顔を上げようとした、その時。




「………アウト。」




「…え?」

「今のはダメだな」



 ロックが呟いた。



「な…何で!?」
「語尾に『』が付いてなかったし」
「な、何ばかな事言って――――」



 人が勇気を振り絞って言ったのに!と、抗議しようと思った。
 が、顔を上げた瞬間見えたのは…


 目を逸らし、口元を手で覆い隠してこの上ないほど真っ赤になった彼の顔。


 それを驚いて見ていると、ロックもセリスの視線に気づいたのか、顔を上げた。
 目が合った途端、耳まで赤くなる二人。



「と…とにかく!」



 咳払いをひとつして。
 突然腕を引かれた。



「今のはアウト。だからこれは、その罰だ」
「え…―――」



 ロックの方へ倒れ込むと同時に、唇が触れ合った。
 予期していなかった行為に、セリスは驚きのあまり目を閉じるのも忘れてしまう。
 先程の強引なキスとは違い、唇が重なっては離れ、離れては重なり。
 ついばむように唇が触れる。

 セリスはそんなロックの照れ隠しのようなキスを受けながら
 やがてうっとりと瞳を閉じ、彼の背に手を回した。








 いつのまにか、風は凪いでいた。


 セリスの心の嵐も。


 穏やかな日の光を浴びて、二人は甘いひと時に酔いしれた。












 ―――けれど、行為はこれで終わるわけもなく…。





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