■■■■ LOVE OR LUST
2
規則正しい寝息を立てて、隣で眠る愛しい彼女を見た。
涙の痕が、うっすら頬に残っている。
無理に何度も身体を繋がれた彼女は、耐え切れずに意識を手放してしまった。
いつも、そうだった。
彼女を見るとそれだけで抑えが利かなくなって、触れれば壊してしまうと判っていながらも止められない。
そうして抱いた後に襲うのは言いようのない
虚無感、罪悪感、そして―――自分への失望。
「―――…セリス」
たった一言、名前を呼ぶだけで胸が疼く。
こんなにも、彼女に囚われてる。
長い金の髪を梳き、ひと房手にとってそれに口づけ、目を伏せた。
「…ごめん…」
何度謝っても足りない。
どれだけ謝ったって許されはしない。
俺のしていることは彼女を傷つけることばかりだ。
守りたいと思っているのに、どうして壊してしまおうとするのだろう。
(悲しむ顔なんて見たくないのに…)
けれど、そうさせているのは自分。
傷つけて、怖がらせて、泣かせているのはこの俺自身。
その事実に目を背けたくて、心の蟠りを少しでも軽くしたくて、卑怯な俺は眠る彼女に心の中で懺悔する。
傷つけてごめん
辛い思いをさせてごめん
望まない言葉を言わせてごめん
こんな俺が、お前を好きになってごめん…