01





「行くぞ、フランキー。」

「よォし…、しっかり掴まってろよ…!

"クー・ド・バースト"!!」


―――ドゴォォオン


『……っ!(マ ジ か よ !)』


現在、俺、嘉識は、空飛ぶ船に乗っています…、何だこれ。


あっという間の空中飛行の後、時と場所が変わって現在金獅子の館の中、和風なこの館で歩きながらも攻撃してる彼らはすごいと思う。
っていうか俺最後尾だからか全然獲物が回ってきません、つまらないな。
まぁそんなことは口に出さない、こんな粛然とした空気でそんな言えるわけないだろうよ。
足並みを揃えて通路を突き進む、なんか、眩しい奴等だな、なんて。 まったく、目が眩みそうになる。 戯言だけど。

因みにドレスコートだそうでスーツお借りしました。
サイズ的に成長期まだだからあれ(←)だけどまぁ、逆にダボッとしている感がなかなかいいんじゃないだろうか、なんてプラス思考で考える。
結構なオシャレスーツ、ぶっちゃけ戦いに支障出なければ何でもいい話だが。
そして一段と大きな襖の前に辿り着いた、さて、気を引き締めましょうか。
向こうの空間と隔てる一枚の襖が剣士によって斬り倒され、

――ブスッ、

「…あれっ?」

「ったく、しまらねぇだろ、こうすんだ!」

「わっ、ちょ、待て、どわっ!」

―――ドガッ、


さらにもう一枚の襖の前ではなんか茶番が繰り広げられていた、本当しまらないな。 結局はコックによって蹴破られたけど。
そして成り行きで獲物がたくさんいる大広間に入る、杯でも交わそうとしていたのだろうか。 注目を浴びる中、船大工の隣の端の方に立った。
ここで空気壊すほど馬鹿じゃない。


「おめぇらだったのか、こりゃ驚いたァ…。」


葉巻を加えながらこちらを見やる金獅子。
そのまま俺たちは中央へ円形になりながら歩む、畳を土足で踏み入ることになんだか違和感を感じた。 自分が日本人だったという名残が、この違和感を彷彿させたのであろうことが予想され、ふとセンチメンタルとも何とも言い難い感覚に襲われたのだった。


「"東の海"を襲うって…?」

「まぁな、」

「ナミは無事か?」

「あぁ、ピンピンしてる。」

『………。(絶対嘘だ。)』

「そもそも、嘉識。てめぇは何でそこにいる?うちの戦闘員だろう?」

「おまっ、やっぱりシキの、」

『――勘違いも甚だしい。俺はお姉さんみたいに仲間になるなんて一言も言った覚えがないから。ただお前らに連れて来られただけだ、いつこっちにつこうとも勝手。
――最初に言っただろう、俺はまだ死ぬわけにはいかない、って。』

「だとしてもだ、俺たちはお前を裏切者として処罰することになるが、後悔はしねぇんだな?」

『異議なし、上等。』

「……残念だ、有能なる戦闘員、嘉識。」


彼はニヤリと笑いながら言って、周りもひっそりと嫌な笑みを浮かべる。
そして、金獅子は俺に向けていた視線を離して全体に目を向けた。


「ジッハッハッハッハッ!
物騒ななりしてるが、まさか9人でこれを相手にするつもりじゃあるめぇよなァ?」


その言葉と同時に周りの襖が倒れて、現れたのは海賊海賊海賊海賊海賊海賊、海賊だらけ。
どのぐらいいるかと言われると、数えるのが面倒になるぐらいだ。 まぁ、数はどうでもいいわけで…、だって全部壊せばいいんだし、――なんて。


「死にたくねぇと足掻きにきた裏切者に、我が身を犠牲にすりゃ故郷を守れると信じるメルヘン女と、共に散りに来た、無謀な特攻隊か!?」

「―――馬鹿だな、お前。」

「ん?」


足掻いて何が悪い、殺人鬼だって化け物だって、命が惜しい。
今ここで終わるわけにはいかないから、だから死にたくないし生きていたい。
それに絶望したからって死んだら結局のところ逃走にしかならないし何にも変わりゃしない、俺は変えたいわけで。
ああ、それに生にすがり付くのはみっともないだなんて俺としては詭弁、生きたいから死に抗う、これって別に悪いことなんかじゃないって俺は思う。 ただ、これらはエゴにしかならないけど。
それでも自分が生きるための話、自分は自分ってことにしかなりえないが、自分の人生なんだから結局それでいいんじゃないか。


「ナミは、犠牲になりに来たんじゃねぇよ。

先陣きって、ここへ戦いに来ただけだ!!」

『(――だからこれはつまるところ、俺の戦いだ。)』


その言葉を麦藁が言い終えると同時に、ガチャリ、ガチャッ、と一斉に銃器を構える。
無論俺は弓矢を構えた、銀の装飾と矢の先端が、反射してキラリと光る。 まぁ、矢がもったいないから一発命中で行くため、そこんとこよろしく。


「覚悟しろよ、金獅子のシキ――

――俺たちが本隊だ!!!」


轟くほどの銃声が一斉に鳴り響いた。



東に銃を向けよ

(さあ始まった、)(もう後戻りなんて出来やしない)





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