「ねぇ、なんで練習に来なかったの?」
私は言う、君は答えない
「ねぇ、なんでここでしゃがんでいるの?」
私は言う、君は答えない
「ねぇ、なんで返事してくれないの?」
私は云う、君は応えない
「ねぇ、なんで……こっち向いてくれないの?」
私はいう、君は……
「眩しいんだよ俺には、お前もあいつ等も」
こたえてくれた。
でもそのこたえは半田の本音で、ある意味私には聞きたくなかったものだ。
あれ、君の肩ってそんな頼りなかったけ 君の背中ってそんなに細かったっけ
君が消えてしまいそうだ もうあんな思いはしたくないのに
「やっぱ俺じゃ無理なんだよ」
「っ… そんなこと言わないでよ」
ずっとがんばってきた君を私は知ってるよ。どんな状態でもめげなくて、中途半端だけど努力は人一倍してとっても優しい、そして自分の心を持っている、そんな君が私は好きなんだよ。
「半田のがんばりを分かってる人は沢山いるんだよ」
草木が鳴って私と君の間に吹き、髪がなびいて少しの間目を閉じた。君を見ると私の方を見て
「俺、頑張れるかな?」
もう無理だと思ってた頑張ることがお前といればもうちょっと頑張れる気がするんだ、だから……
《私の心臓、あなたの核》
こんな弱い俺だけどずっと側にいてくれるか?
そういった君に私は当たり前とこたえた。