「なんっなんだ?本当に人間なのかアイツ!?」
ポケモンであるポッチャマが全速力で走っているにも関わらず、後方のヨツバとはいくらも距離は離れていない。おそらくこの差はスタートの差でしかないだろう。つまりほぼ同じ速度で走っているのだ。その上この追いかけっこは小一時間続いていた。尋常な体力ではない。
まさか擬人化したポケモンなのか?いや、ならなぜパートナーポケモンなど貰いにくる?それに博士はヨツバを前から知っていたようだし、だが擬人化し続けていれば騙すことは可能…しかし戸籍が無いのでは…そんなことを考えていたからか、はたまた常ならぬ速度で走っていたからか、ポッチャマは小石につまずいて転んでしまった。あっという間に距離が詰められた。そして強く抱き締められる。体全体を使った抱き潰さんばかりの力の強さだった。
「逃げた、んだよね?でもあたしはあなたじゃないとやだ!」
「な、んで!炎タイプと決めていたのでしょう!私からも願い下げです!」
「最初はそうだったけどあなたをみたら考えが全然変わったの!」
「前から決めていたのではないのですか!後悔しても私に責任はとれませんよ!それに貴方とでは全く強くなれそうにありません!」
「そんなことない!強くなれるよ!」
「口だけで信じられるわけが無いでしょう、証拠を見せなさい!」
「ああ!もう!じゃあバトルしよう、バトル!それであたしがあなたを捕まえたら文句ないよね?」
「何言ってるんです、貴方他にポケモンを持って無いでしょう。それでどうやってバトルすると…」
「だから、あたしと!」
「意味が分かりません!」
「あたしのこの手と足で、あなたを捕まえるって言ってるの!」
「…は?」
直後、がっちりとポッチャマを抱き締めていた腕が移動して、しかし決して抜け出せない強さでホールドされた。そして、
「でも、これからパートナーにするポケモンを殴ったり蹴ったりはしたくない。だから、こうするっ!」
ポッチャマの脇腹を擽りだした。
「ちょっ、な、ははっ、あはははっ、やめっ、ははは!」
ここで擬人化していたことが仇になった。原型ならば擽られようがひっかかれようが大丈夫だったのだろうが、人型の薄い皮膚ではどうしたって擽ったい。そしてポッチャマだって生き物だ、擽ったければ笑う。また、笑うということは体力を奪うもので、当然笑い続ければ体力も尽きるのだ。
小一時間笑い続けてぐったりしてたポッチャマをボールに納めたヨツバは大変満足そうだった、と後にレギアと名付けられた当のポッチャマは思い出すことになる。

今日もヨツバはレギアと仲間たちと共にどこかを旅しているだろう。



おまけ
「私は貴方を主だなんて認めませんよ」
「分かった分かったいいよそれで」
「ただ、対等だとは認めます。パートナーなんでしょう?つまりは相棒です。相棒の間には上下関係は有りませんからね。」
「相棒?何それすごいかっこいい!賛成さんせーい!」
「………」


っていうヨツバさんのとんでも話でした。一番書きたかったのはこちょこちょシーンと対等だと認め〜の会話だったり。
ちなみに、このせいでレギアの中でこちょこちょは軽くトラウマ。あと、こちょこちょで爆笑しちゃったのはレギアの黒歴史。レギアの証拠を示せってセリフ結構無茶振りですよね。
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