(120506)


美咲さんの娘(小学校低学年)。男鹿くんは30前後、ボロアパート住み。




ごんごんごん「たーつみー!」

「アネキ?なんだよこんな朝早く…」

「もう昼よ〜。この子もいるんだから、明日からはちゃんと朝から活動すること!」

「この子って…は…?」

『(ぺこり)』

「仕事でいきなりアメリカ行くことになっちゃってね。多分一ヶ月くらいになると思うんだけど。ここから学校までの道は教えてあるし、これ生活費。考えて使わなきゃすぐなくなるわよ」

「いや、待てよアネキ。きーてねーし、そもそも何でオレが預からなきゃなんねえんだ」

「なんでって、あんた子供すきじゃない」

「好きじゃねーよ。何を見てそう思ったんだ」

「……頼むわよ。こんなこと任せられるの、アンタしかいないんだから」

「……。だから理由くらい、」

「あ!飛行機の時間!じゃあね杳子ちゃん♪お母さん毎晩電話するからね〜」







「あーめんどくせえ、アネキのやつ…」

『あ、あの…、たっくん』

「うるせえ、たっくん言うな」

『っ!………あ、えと』

「……」

『……う…』

「……あーもう!いいから」

『?』

「いいっつってんだたっくんで。で?何か用かよ?」

『!…あ、これからお世話になります……ふつつか者ですが、よろしくお願いします』

「ふつつか者て。アネキなに教えてんだ」







ごん「おがー」

『……はーい…?』

「あ。杳子ちゃんだよね?美咲さんの子どもの」

『あ…、っ!(ぱたぱた)』

「あれ?」


「おう、どーした泣きそうな顔して」

『たっくん、やだ、げんかん、きもちわるいひと』

「きもちわるいひと!?」

「あー古市か」

「しかもそれで通じんのかよ!つか初対面だし気持ち悪いこと何もしてないよね!?」

「うるせーぞ古市、杳子が気味悪がるじゃねえか」

「気味悪がるって何だよ。ほら杳子ちゃん、こわくないよー」

『…っ(男鹿の後ろに隠れたまま見ようともしない)』

「……なあ、なんでオレこんな初対面から嫌われてんの?オマエまた前情報吹き込んだ?」

「オマエが存在してることすら言ってねえよ、教育に悪いからな」

「教育に悪いってどんなキモさ!?」

「ほら杳子、居間戻ってろ。で、古市、何か用か?マンガならまだ返さねーぞ」

「マンガは後でいいよ。……美咲さん、アメリカ行ったんだって?」

「…あー、知ってんのか」

「美咲さんから頼まれたんだよ。流石にオマエだけじゃ心許ないからたまに覗いてやってくれって」

「……」

「…ま、オレは杳子ちゃんに嫌われてるみたいだけど」

「杳子は賢いからな。ちゃんと区別できんだ」

「区別っつーか差別だろ。つかオマエは懐かれてんのな」

「オレのいい人オーラを見破ったのだよ。賢いからな」

「……。つか意外と溺愛?こども好き?」

「好きじゃねーよ。一ヶ月の辛抱だ」

「…ふーん?」









ぶっきらぼうな叔父さんと無口で人見知りの姪っ子と、時々変態。シリーズ化したい。
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