(110106)



『ただいま〜(あ、この靴…男鹿くん来てるんだ)』

「杳子いーとこに帰ってきた!ゲームかわれ!」

『え?なにいきなり』

「これからデートだっつーのに男鹿が離さねぇんだよ!」

「古市てめぇボンヤリしてたらやられるだろーが。鍵はてめーが持ってんだぞ」

「わかってるっての!だからオマエ死んでコントローラー交換すりゃ済む話だろうが」

「馬鹿か古市、ばか古市か」

「は!?」

「んな大した攻撃力もねぇ装備の奴は古市しか似合わねーよ。オマエは鍵だけ持ってついてこい」

「あああムカつくな…!っつか時間!杳子!」

『へいへい。えーと…、って貴ちゃんなんでこんなズタボロなの』

「弱いからな」

「弱いからなじゃねえ!オマエがことごとくオレを盾にしたからだろーが!」

「ハッ、王様に尽くすのは奴隷として当然だろーが」

「だれが奴隷だ!せめて平民だろ!」

『貴ちゃん時間は?』

「っやべ!いってきます!」

『いってらっしゃーい。気をつけてね〜』

「おい古市、よそ見すんな」

『あ、ごめん。えーと、ついてけばいいの?』

「おう。オレが道あけるから、ぜってー離れんなよ」

『はーい了解(な、なにこれなんかドキドキする…!男鹿くんかっこいい…)』

「…あ」

『な、なに?』

「おかえり(手で頭ポンのかわりに軽く体当たり)」

『!』

「言い忘れてたからな。あ、そこの宝箱の中身なんだ?」

『あっ…、と、かいふくやく…』

「ラッキー、これで扉まで行けるな」

『うん…男鹿くん』

「ん?」

『……たっだいまっっっ!!(体当たり返し)』

「ぐはお!いってぇバカ加減しろ!見ろ!やられたじゃねぇか!」

『ふへへへ』

「……ったく、なに笑ってんだか…」




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テーマ「人外ファンタジー」
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