(110102) 男鹿くんと小学校からの友人・石矢魔生徒 「おい、焼きそば」 『屋台はお参り終わってからだってば』 「お参り終わったら終わったでさっさと帰るっつうだろうが」 『うん』 「うんじゃねーよこのオカンが」 ◇ 『すみませーん、1つください』 「おう、300円な」 『あ』 「ん?おー、青柳」 『あけましておめでとうございます東条さん』 「今年も元気そうだな。初詣でか?」 『はい。東条さんはもう行かれたんですか?』 「屋台組み立てる前にな。オマエ一人で来たのか?」 『いえ、…(いいか言っちゃっても…)男鹿くんがいたんですけど、どっか行っちゃいました』 「また男鹿といんのか。仲いいな」 『古市くんと同じ腐れ縁みたいなもんですよ。あ、箸ふたつお願いします』 「おう。つか男鹿いねーんならこっち来いよ」 『え?あ、お手伝いですか』 「別に手伝わなくてもいいけどな。ここで休んでろ」 「おい青柳、おせーぞ」 『あ、男鹿くん。さっき言ってたいい匂いの屋台、東条さんとこのだったみたい』 「東条?」 「よう。青柳、やっぱり手伝え。屋台任せる」 『え?』 「男鹿、場所変えるぞ。喧嘩始めだ」 「おう、やるか」 『ちょ、お二人さん?とくに東条さん?屋台は』 「焼きそば好きなだけ食っていいから」 『了解です!いってらっしゃいませ!(やけくそ)』 ◇ 「焼きそばひとつお願いしまーす、ってあれ?青柳ちゃん」 『夏目さん。あけましておめでとうございます』 「今年もよろしくね。なに、屋台やってんの?」 『東条さんプラス男鹿くんイコールです』 「はは、察したよ。手伝ってもいい?」 『え、いいんですか』 「どうせ寝正月になるだけだからね。よかったら手伝わせてよ」 『ありがとうございます♪おなか空いたら焼きそばはいくらでも食べていいそうですよ』 「ほんとに?ラッキー」 『そーいえば夏目さん、今日はお一人なんですか?』 「うん。外出たら神崎くんたちにでも会えるかなって」 『まだ会えてないんですか』 「焼きそばひとつ」 『あ、はーい』 「はは、噂をすれば」 「あ?夏目、と…いつも男鹿といる…」 『青柳です。あけましておめでとうございます、神崎くんさん、城ちゃんさん』 「おめでとうございます」 「オマエらいつの間にそーいう仲になってたんだ?」 「んーと、年明けてからかな」 『おいこら夏目さん』 「あれ、違うっけ?屋台やる仲」 『…ややこしいこと言わないでください』 「あはは、もしかして可能性あったりするのかな」 ◇ 「てか青柳ちゃん料理したことないでしょ」 『え。なんで解ったんですか』 「解るよ」 『…デスヨネー』 「焦がしたヤツは全部食べてね」 『え、すてちゃおうかと』 「もったいないでしょ」 『でも苦いし』 「自分で焦がしといてよく言えるって思わない?しかも他人の屋台で」 『夏目さん』 「ん?」 『静かに蔑まれるの慣れてないんですけど。できれば罵倒でお願いできますか』 「あはは。おもしろいね青柳ちゃん。断るけど」 ◇ 「うおーいおいねーちゃんよーお!」 『はい?(うわー夏目さんいないのに…めんどくさ)』 「はいじゃねーよ!見ろこれ!焼きそばに紙入ってんじゃねえか!間違えて食っちまっただろ!山羊か!山羊かアニキは!?」 『はぁ…そうなんじゃないですかねぇ』 「ああ?!」 『大丈夫ですよ紙くらい。カステラのもたまに食べちゃうし』 「あ、たしかにそうだな…」 「アニキ!流されないでください!ふざけんなよこのアマァ!」 『えー…』 「なにやってんだ」 「ああ?…っひ」 『あ、姫川さん。あけましておめでとうございます』 「おう」 『姫川さんも初詣でとか行くんですね』 「まあな。つかなに絡まれてんだよ」 『絡まれたんですかね?でも多分いいひとですよあのひとたち』 「オマエな…。つか何で屋台?東条の真似事か」 『お手伝いです。東条さんは川へ男鹿くんと喧嘩に』 「相変わらずだな…。おい、それ貸せ」 『え、手伝ってくださるんですか』 「見てらんねーだけだ。やったことねぇけどオマエよりは上手くできる自信あるからな」 『ありがとうございます』 「馬鹿、けなしてんだぞ」 ◇ 「おー大盛況じゃねえか」 『あ、東条さんお帰りなさーい。男鹿くんも。喧嘩始めいかがでした?』 「なかなかだ。な、男鹿」 「つかオマエ焼きそばしてねぇのかよ」 『あ、そうだごめんなさい東条さん。なんだかよろず屋台になっちゃいました』 「賑わってんなら構わねえよ」 『よかった。ヨーグルッチも鯛の尾頭付きもあるんですよ』 「カオスだな…」 『あ、古市おめあけ〜』 「よろこと。つかさっきからいたんだけどね」 『あはは、さすがにもう見ないフリできないかなって』 「わざと!?わざとだったの!?」 |