(111225)



剳P川さんから電話


『はーい。もしもし?』

「迎えに来た。外出てこい」

『はい?寒いからヤです』

「ふざけんなよ、いーからさっさと出てこい!」

『んー…しかしね姫川さん』

「なんだよ、早くしろ」

『…しょーがないですね』ガチャ

「おっせぇ……あ?何だそのカッコ」

『いまちょうどパーティー中でして。というか姫川さんこそ。随分パリパリッとした』

「ポテチみたいに言うな」

『ポテチだなんて勿体ない。せいぜい乾いた糊です』

「殴んぞ」

『まあそれはともかく。どうなさったんですか?あ、もしかして姫川さんもこれからパーティーだったり』

「…ハァ。……迎えに来たっつったろ。オマエのドレスも用意させてる。もう始まってんだからさっさと来い」

『ドレス、ですか。わたしの?』

「そう言ったろ」

『…えーと。あの、うまく状況がのみこめないんですけども』

「……だから!財閥のパーティーにオマエをオレの婚約者として連れてくっつってんだ!!」

「おい杳子、ケーキ食いっぱぐれるぞ。…む?」

『え?あ、たつ』

「男鹿ァ…てめーこんなタイミングで…」

『ごめんたつ、わたしちょっと出てくるね。ケーキは残しといて』

「残るか知らねーぞ」

『帰って無かったら問答無用でたつをめきょぐちゃにします』

「めきょぐちゃって。こえーよ。つか何で姫川がいんだ?」

『婚約者だから』

「こんにゃく?」

「っおま、杳子」

『じゃー姫川さん、行きましょ。この車ですか?』

「杳子。それは受けるって意味でとっていいのか?」

『…受けて立つって意味で』



刳Xにて

「さっみぃ…ったく、夜景で満足しとけよ」

『上からの夜景もたしかに奇麗でしたけど。やっぱりここのイルミネーション見ないとクリスマスって感じがしないじゃないですか』

「上からでも見えただろ」

『ですから…』


「部屋んなかに居たら寒くもねーのに」

『まーだ言いますか。頑固ですね』

「寒いの嫌いなんだよ」

『姫川さんすぐ体温下がりますもんね。だから完全防備させたじゃないですか』

「顔がさみい」

『それは姫川さんが帽子を断固として拒絶したからです。私に責任はありません』

「あと、」

『?』

「外だとこれで限界だろ。可能性がねえ」

『……姫川さんの手、やっぱり冷たいです』

「……」

『ふむ。しょーがないですね、はやく帰りましょ。で、あったかいもの飲みましょ』

「その前に風呂な」

『一緒にですか?』

「オマエが入りてーならご自由に」

『じゃあ姫川さんが入ってるとこに乱入しますね』

「それはやめろ」




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