朝六時にはベッドから出て、お弁当を作る。本当はその一時間前には起きている。人間の本能というものだろうか。しっかりしなければと思うと、しっかりするらしい。しっかりしなければというよりも、実は単に楽しみなだけなのだけれど。


 本日のお弁当は実にシンプルである。この間ご飯の上に海苔であの数字を模ったものを置いてみたら怒られたので、もう何も凝ったことはしてやらない。あれでもかなり時間を掛けたんだからな。


 ふっくらした卵焼きと、好きと言っていたウインナー。タコさんにもしてやらない。カラフルなスティックもカップも無し。私は怒っている。


 冷凍食品のハンバーグとその他諸々を詰めて、おかずコーナーは出来上がり。


 余りは自分の朝食に。ウインナーはカニさん。食べ終わったら、冷めたごはんを詰めたお弁当に箸をセッティングして袋に入れる。今日はお手紙なんて書いてやらない。



 準備をして、お化粧をして、準備を確認して。寝室に寄ってみれば、まだ二時間も寝ていない彼が何やらぐもぐもと呻きながら私の布団に抱き着いていた。ぬいぐるみでも与えておけば、面白い構図になっただろうか。明日はそうしてみよう。これから同じような夜勤が続くらしいから、使い捨てカメラも買ってこよう。企みながら、そっとリビングに戻る。


 鞄を持って、全身鏡で最終確認をして。誰にも聞こえないほどの声で行ってきます。



 今日も快晴。







110826

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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