スイセンの末路 | ナノ
私は昔から独占欲が強く、自己愛が強く、他人に対する競争意識が高い人間だった。

小学生の頃、好きな男の子を手に入れるために裏から手を回して周りの女子を陥れた。
中学の頃、憧れの先生の評価を高めたくて、いい成績の女子に対して、ない噂を広めた。
高校の頃、先輩をかけた恋のバトルに勝つために自ら怪我をして、相手の女の居場所を消した。

全ては、私のために。
自分がいい場所に、望んだ場所にいられるために。
利用できるものをすべて利用して、他人を蹴落としていった。

私は可愛い。親はそんな私を甘やかし、かわいがって育てた。
その結果、私はなんだってできるのが当たり前で、何だってしていいのが当たり前。そう、心の底から信じていた。思っていた。
違うと否定してくる人間は身内にはいなかった。
周りは声を上げたけれどちょっと手を回せばすぐに大人しくなった。
それが私の中の当たり前のことになっていた。

私は可愛い。
私は愛されている。
誰からも、神様からさえも。
だから私は、今も自分のやっていることが間違いだと思わないし、最低だとも思わない。
なぜならそれが、私にとって当たり前のことであり、普通のことだからだ。

私は心から信じて疑わない。
私は神から愛され、選ばれた人間なのだと。


151014 執筆


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