ネタ吐出し場 | ナノ


南馬鹿 双六一に励ましの言葉をもらいたい

珍しく無人の休憩室。そこに座って項垂れていると、扉の開く音がして私の名前が呼ばれた。


「どうした、随分とへこんでるじゃねえか」
「双六主任…」
「なんかあったのか?」
「まぁ、あったというか、やらかしたというか…ちょっとヘマをしまして」
「ヘマ?」
「提出期限はまだ先なんですが、依頼されていた書類を作成したデータを消してしまいまして」
「バックアップは?」
「とってませんでした。保存はしたんですが、データの形式が保存されない形式で…」
「なるほどな」
「後で見返したときにそれに気が付いて、それなりに頑張ったものだったのでちょっとショックが大きくて」
「今そのデータはどうしたんだ?」
「生データのまま残ってます。少し休んで、またやろうと思っているので」
「そうか、お前はそういうところ真面目だよな」
「主任程じゃないですよ」
「そうか?」
「そうですよ」
「まぁでも、期限はまだ先なんだろ?」
「えぇ、おそらく早ければ明日にはできます」
「なら平気だろ、一回こなしてれば二回目は最初よりはスムーズに進むだろうし、お前なら大丈夫だ」
「……っ…はい、ありがとうございます」


ぽんぽんと頭に乗せられた大きな手。その手の暖かさにまた一つ、雫が床にシミを作った。


□ ■ □ ■


データが消えたのは実際に管理人がやらかした出来事です。
次の日には再度完成させて、無事提出できましたが、消えたとわかったときのショックはすごかったです。


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