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南馬鹿 仕事人間と不真面目人間

ナンバカ|図書館の司書|気分で開け閉めしている

周りを海に囲まれているこの島には、仕事をしている看守の生活面にも支障がでないように様々な施設が設置されている。映画館やショッピングモール、中にはスキー場などもある。そんな豪華な響きの隣に並べると平凡に聞こえてしまうが、勿論書店などもあり、図書館なども設置されていた。
それなりに面積が広い島なので、図書館も複数存在し、看守は自分が所属する舎に近い場所を利用するというのがほとんどだ。しかし、13舎主任の双六一は少し違った。
カツンカツンと手入れがしっかりと行き届いている靴音を鳴らしながら彼が向かうのは、自分の舎からそれなりに離れた場所にある図書館。
開館していることを滅多に見ることがないその図書館は、一部では幽霊図書館とささやかれている。古びた洋館の建物。塀に巻き付いている草。そして、正面から見える窓のカーテンはすべて閉じられてしまっているので、そう言われても仕方がない。
閉じられた扉の前に立ち、彼はそこに下がっているプレートへと視線を落とす。そこには「閉館」と短くつづられている文字があった。しかし、彼はそれを無視してトアノブへと手をかけた。
ギィ…と少しだけ重たい音がして開く扉。窓を閉め切っているその部屋は暗いと誰もが思うその考えを裏切る様に、中は明るく清潔感がある。


「あ、いらっしゃーい」


双六を迎えたのはどこか間延びした声。貸出返却カウンターというプレートが立てられているそこに座り、眠そうな目で此方を見るのが幽霊図書館と言われている図書館の主であった。


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