大震災によせて
2013/03/11 11:57

 二年目の3月11日がきました。連日の強風のせいか、昨年はあんなに飛んでいたヘリコプターが見当たりません。昨年の今日は穏やかないい天気でした。そして今日もぬけるような青空です。

 週末は震災特番がありました。今日もあるけど、夜のゴールデン帯はなし(NHKのみ)。昨年と同様、どの番組も観ていません。何分か眺めていた番組もあったけど、気持ちがついていけなかった。直後の映像や瓦礫と泥を被った町の様子を見ていると、あのときに感じた様々な感情がないまぜになって押し寄せてきます。
 ひとつひとつ名前があったはずの感情は、いまはもう、ひとつの塊になって気持ちのなかに沈んでしまった。日常では思い出すことも少なくなっていますが、地震がくるたび、防災無線が鳴るたびに、戦慄いてしまう。今朝は新聞を読んで涙がこぼれました。どの記事に、とかではなく、なんというか…うまく言えない。

 楽しいことがたくさんあった一年でした。だから、涙が出たときに、ああ、私は忘れてないって、安堵してしまいました。哀しみややるせなさを忘れさせるほどの楽しさや、追われる日常に、無情なほど記憶は薄れていきます。でも、ちゃんと刻まれたまま癒えずに残っているものがある。真実忘れたくないものは忘れない、大丈夫。
 足元に広がる凍えるほどの水、寒さ暗さ。さくさんの人たちのあたたかい気持ちと手助け。生きようと思ったあの日々のことを、私はちゃんと覚えてる。

 あっという間に過ぎた一年でした。ここでまた、こうして震災のことを書けることが幸いです。生きるとは、生き続けること。日々を重ねていくこと。たくさんの喜怒哀楽を積み重ねながら。
 



prev | next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -