05



はろーはろー、只今わたくし委員会中でーす
用具委員は食堂の椅子や机の整備に向かっておりまーす

私、五年生。ちゃんと鍛錬やってる。
だから、重いものも危ないものも持てる。

のに、食満先輩は一向にやらしてくれません。
過保護……
というわけで、私一人手ぶらで移動中


と、視界の隅に映るもの。


鼠色の髪、藍色の制服、周りのじょろじょろ一年生、虫取り網、かご
……あれは



「よぅしっ!じゃあ今日は解散っ」


「はぁーい!!」



やっぱり



「はーーーーーーーーーーーーっちゃん!!!!!!」


「いぁア゛ー!!!!!」


……あ、ごめん。勢いつけすぎちゃったね。
今のモロに腰いったね。ごめん
反省してるよ。反省のポーズできるよ
もうやらないとは言えないけど


「名前〜っ……」


腰をさすりながら、涙目になってるはっちゃん。
あ、あなた。ソレ色っぽいわよ


「はち、エロス!!!」


「は!?」


私の発言に一気に顔が真っ赤に染まる
…………か、わいい
純だよ。ピュアってこの子のことよね


「はっちゃん、それ人前でやっちゃ駄目だからね。みんな男は狼なんだから」


「…俺も男ですが。」


「あ、そだ。聞いてよ〜、食満先輩がね?荷物持たせてくんないの?ひどくない?まったく私も子供じゃないんだから。」


「ちゃんとしようぜ。言葉のキャッチボール!!!!!!」


委員会中だろ!?


はっちゃんが叫ぶ。
おお、忘れてた。どちちも委員会中だったんだ
はっちゃんは今さっき終わったけれど


「ごめんごめん、…隣町の団子屋でどうだ!!」


「……のった」


さすが、はっちゃん!!!
かっこいい!!!


「なぁ、」


「ん〜??」


「…やっぱいい。」


「そうですか。じゃあ私行くね」


なにか、悩み事の類だろう。
はっちゃんは深刻な悩みは自分の中に留めておく。
溜まりに溜まると、私のところへ相談してくる


それが、私は、とても嬉しいのだ
なんだ幼馴染の特権ってやつ?


ホントは内容、めちゃめちゃ気になる。
でもね、はっちゃん。
君、気付いてないだろうけど
こうして放っておくと、自ら言う癖。
自分で気づいて無いでしょ


足を動かし、食堂へ向かう。
と、次の瞬間。腕を掴まれ、引き寄せられる


「…はっちゃん??」


「…てんのか?」


「は?」


「だから…してんのかって!?」


「き・こ・え・な・い!!!」


「あぁもう!!だからっ、さっき俺にやったようなこと、を、他の奴らにもしてんのかって!!!」


「さっきやったこと??」


「…名前呼びながら、抱きつくとかっ!外出に男を、誘うとか!!それもう、で、でででで、デートじゃんかぁ!!あ、や、も、いい…」


さっきより顔を真っ赤にして、しゃがみこむはっちゃん


何言ってんだろ、俺。


という呟きが聞こえる



「な、」


「名前??」


「なにこのかわいい生き物ー!!!!!!!!」


きゃー!!!!


私の叫びに、すこし驚くはっちゃん。


「大丈夫、私がこんなことするのはっちゃんしかいないって!!」


「え、あ、そうだよな…」


「だからさっ!!今度の休日に団子屋さん行こう!!デートしよ!!」



馬鹿、お前何言ってんだ!!!






…殴られた



 太陽の君、私の特権
  (私を照らして!!照らさして!!)


(名前浮かれてんな)
(食満先輩!!ふふふ、おでーつなんです)
(…竹谷か)







無駄に長い…
竹谷は生粋の子犬タイプ
あ、ネコでもいいな
普段は素っ気ないのに、こっちが構わなかったら
すり寄ってくる…いいな(←

でも、竹谷ならどんな竹谷でも好きです