short | ナノ




きらきら



「で。いい加減言えば?」




「無理、絶対無理」




「私が手伝ってやろうか?」




鉢屋くんは油断も隙もあったもんじゃないから遠慮しとく。
そう言うと彼はちぇ、とつまらなそうに言った。
私たちは今教室にいて、私も鉢屋くんの机に集まっている。
へーすけくんと勘ちゃん、鉢屋くんに不破くん。それから私


私たちの視線の先には、竹谷君。竹谷八左ヱ門君。





「あ、今笑った!かっこいいなぁ…」





「そりゃ笑うっしょ。てか、あいつ笑顔以外の選択肢ないじゃん」





「あー、かっこいい。勘ちゃんの言葉なんてどうでもよくなるくらい」





ひどいななまえ。勘ちゃんの叫び声なんて聞こえない
それほどまでに、かっこいいんです


今更言うのもなんですが、私は同じクラスの竹谷八左ヱ門くんが好きなわけで。でも、全然接点ないわけで。いや、あると言えばあるんだけれど。
同じクラスで、この人たちは竹谷君と仲がいい


でも、私は未だ彼と話したことがありません
チクショーとか思ったりしてる。


竹谷君は明るくて、そんでもって優しくて、そんな人だからクラスの人気者になるのは当たり前。


平々凡々、特徴なにそれおいしいの?
そんな私と竹谷君じゃ月とスッポン。
なんでその二つを比べるのだろうか。
月の方が綺麗に決まってる。比べる方がおかしいよ。
そのくらい私にとって高嶺の花の人。この言葉って本来女の人に使うんだよね。
まあいいや






「みょうじはさ、ハチのどこがいいんだ?」





「ぜーんぶ」





見ているだけでいいんです
話したいだなんて思いません


だからもう少し…




「お、三郎、兵助、雷蔵、勘衛門。おはよー」





「はよ」





ほら、四人はお友達だものね
きっと私は眼中にない





「みょうじさんも、おはよ!!」





「え、」




挨拶…されちゃった




あぁもう、神様ありがとう!!




   きらきら
    (あなたの笑顔だけで、私は)


報われるというのに!!
こんなラッキーないわ