5話




※R18にて注意






「い゙あ…ッ、ゃ、…いた、ぃっ」
「うるせえ。黙って力抜け」

乱暴ともいえる程の雑な愛撫は直ぐに終わってしまい、快楽すら満足に拾えないまま後孔へと押し込まれたのは跳ね馬の自身。
跳ね馬自身のそれだって半勃ちになっているし、己に至っては萎えたままで。
明かに行為をすべきではない互いの状態にも関わらず、跳ね馬は無理矢理自身を押し進めていく。
それはもう、なんだかヤケクソにも感じた。




「ふ…うぅ゙ッ、…」

入らないと首を振った雲雀だったが、今現在自分の腹を奥まで満たすそれは紛れもなく跳ね馬の自身。
異常な程の圧迫感と激痛に、ただ懸命に堪えた。
最早、ここまで来て抗う意思も残っていない。
奥歯を懸命に噛み締めながら身体を震わせる雲雀に、跳ね馬は躊躇無く律動を開始する。
当然、犯している相手は雲雀なのだから遠慮もしなかった。
満足に解かされないまま激しく出入りするその刺激に、雲雀の後孔は堪えきれず赤々とした血を流す。
それが皮肉にも潤滑油変わりとなって、激しく擦れる痛みを軽減してくれた。




「ぃ、…やっ、いた、い…っ」
「舌噛むから黙ってろ…っ」
「ゃ、だ…っ、やめて、ッこ…わぃ…ッ」

乱暴に突かれる度に口から声を漏らし、それが前立腺を掠めると上擦った声のまま跳ね馬へ言葉を吐く。
抵抗すらも出来なくなった身体を強引にも突き上げて、跳ね馬はヤケクソに近い律動を繰り返した。
いつの間にか嗚咽を漏らし、繰り返される律動に身体は次第に快楽を感じ始めたらしく色付いた声も微かに聞こえる。
だから、泣くなと言ったのに。
まあ、元より泣かせるつもりで強引に追い上げているのだから仕方無いと言えば仕方無いけれど。




「っ、…よかったな。恐怖ってもんを感じてよ」
「ひ、ぅ…っ、…ッや、たす…け…っ」
「助けなんか、っ来るわけねーだろ…ッ」

涙を溢しながらガラにも無く助けを乞うた雲雀に、理性というものは残っていないらしい。
当然、助け等来る訳が無い。
それを冷たく言い放ち、跳ね馬はただ衝動的に腰を打ち付けた。
ムカつく。
ただそれだけの感情だけれど、アラウディに関連した話で馬鹿にするという事は己の逆鱗に触れるという事。
アラウディに相手にされないという最もな事実を突き付けられ、身体まで穢れていると指摘をされて屈辱を受けた感覚に陥ったのだ。
だから、雲雀の身体も汚してしまえばそんな大口は叩けないだろうと。
そう考えただけの事。
勿論、感傷的ではないから雲雀のこの様を見ても同情なんてしないけれど。
寧ろ、心地が良い位だ。
散々己を馬鹿にして、穢れているくせにと何処か差別的な眼差しを向けていた子供が、その対象である己に犯されているのだから面白い。
今、目の前にいる相手が雲雀ではなくアラウディならば、もう少し心身共に労る事くらいはしたのだけれど。




「や…っ、ゃ、だめ、やめて…ッ!」
「うるせえな…。黙って啼いてろ」

初めて受けた屈辱と羞恥に、雲雀は成す術もなく忌々しい男の欲望を受け入れる。
胎内へ流れ込んでくる異物と共に、己の自身からもあらぬ何かが溢れ出ていた。
まるで、漏らしたかのようなそんな光景。
けれど、普段ならば感じる筈の羞恥も屈辱も感じる事は無く、ただ雲雀は呆然と跳ね馬の欲を受け入れる。
嫌だと身体を捩っても、悲鳴に近い言葉を漏らしても、彼は手加減の一つ所か情けすら掛ける事はしなかった。













 



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テーマ「人外ファンタジー」
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