秘密/おまけ
(中岡慎太郎視点)
あれから日数がかなり経っている、ある日の出来事
「姉さん…」
「うっ…」
俺の前で正座をして俯いている姉さん。
俺としては怒っているよりは呆れていると言うか…
しかしそれが姉さんだし、と思ってしまう己に苦笑いをしてしまう。
「慎ちゃん、ごめんなさい」
まったくこの人は…
俺の心をどれだけ掻き乱せているかわからないだろう
姉さんと恋仲になってもそれは変わらない。
「部屋で二人っきりにならないように、と俺は言ったはずですよね、せれね」
「…はい」
「恋仲になる前もよくこんな事がある度に、俺がどれ程心配していたか」
「慎ちゃんじゃなきゃ私はドキドキしないよ」
「っ!」
まったく、この人は…無自覚過ぎる
俺をいったいどうしたいのか
俺を真っ直ぐ見つめる大きな瞳に嘘偽りは無いと感じることが出来る。
それほどにせれねの瞳には想いがこもっていて
「だから何を考えているかわかるんスけど…」
俺の呟きに小首を傾げ不思議そうにする。
それが姉さん…せれねなんっスよね
「まったく惚れた弱みってことっスか」
俺が困ったように微笑むのをせれねはますます不思議そうにして見ていた。
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