慎ちゃんとお茶を飲みつつ3人を見る。
止めに行った以蔵もそのまま参戦してしまった。
あはは…
もう、こうなると慎ちゃんしか止められないよね
龍馬さんと武市さんの掴み合いと言い合いに以蔵の声が重なる。
そんな光景を見ながら慎ちゃんがお茶を一口飲み、息をつく。

「以蔵くんじゃないっスけど、姉さんは色々と罪作りっスからね」

「慎ちゃんまで…もう!私だって…」

冗談のつもりで笑って言おうとした言葉は慎ちゃんが私の方を向くので続く言葉が出なかった。

「俺も心配なんっスよ」

真っ直ぐ射抜くような視線で言われたと思ったらすぐに、いつもの笑顔になって

「さて、三人を止めないといけないっスね。龍馬さんはこの後また会合っスから」

何事も無かったかの様に立ち上がり3人へと近づく。
その背中に向けて、私は先程飲み込んだ言葉をそっと呟く。
私だって、
気になる人と一緒ならドキドキして平常心でいられないよ
それがみんながいる部屋の中でも…ね。
知ってた?

「慎ちゃん」

この呟きだけは声に出していたらしく、聞こえた慎ちゃんが小首を傾げてこちらを振り向く。
なんでもない。の意味を込めて私は笑顔で答える。

「みなさん喉渇きません?」

いつものように慎ちゃんが騒ぎを止めて、龍馬さんが照れながら頬を掻き、武市さんが困った表情で頬を染めて、以蔵が険しい表情でまだ文句を言い、冷めてしまったお茶が入っている湯呑みへと近づく。
そんなみんなに私は湯呑みを手渡す。
一気に飲み干したり、ゆっくりと口をつけたり、それぞれの飲み方に笑ってしまう。

「飲み終わったら新しいの淹れますね」

最後に来た慎ちゃんへ残り少なくなっている湯呑みを笑顔で手渡す。

「お疲れ様、慎ちゃん」
「ありがとうっス、姉さん」

笑顔の慎ちゃんにも、一息ついてる龍馬さんにも武市さんにも以蔵にも、
私のこの呟きは当分の間はひ・み・つ!
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