うたプリ小話
好きだな、と感じたときには既に君の手を掴んでいた。それからずっとずっと手を離さずに、君を大事に大事にしてきたぼくの気持ちはもう簡単には手放せないくらいに大きくなっているから、ごめんねランラン、誰にも渡してなんてあげられないんだ。好きだよ、君が大好き。とくんとくんって胸を打つ鼓動も、絡んだ指先から伝わる君の体温も、全部が全部ぼくの宝物。
「…れーじ、すげえアホ面だぞ」
「ふふ、ランランのこと考えてたんだあ」
「…なんだそりゃ」
ふい、って横を向くランラン。ちょっぴりほっぺたが赤いのには気付かないフリをして絡めた指先に、きゅ、と力を込めた。
(離さないよ、離せるわけがないから)
手を離す