- ナノ -



寒い夜には抱きしめて、キスして

聞こえた声に嘘や、てどっかの自分が言うた。せやけどそないな言葉をシカトして、振り返った先に居った姿に頭の奥がくらり、て揺れた気がした。あほ、急過ぎるっすわ。精一杯の悪態に侑士さんは小さく苦笑しはった。引かれた腕と、頬に当たる冷たい眼鏡レンズと、熱い唇に頭が湯だってしゃーなかった。
戻る