気持ち。 ※3年以上前の文章につき諸々注意! もどる |
俺な、ほんまはあんたんことめっちゃ好きなんやで。笑うた顔、真剣な顔。誰かとあほやっとる顔、コートでのほんまに楽しそうな顔。色弄り過ぎてきしっきしの髪も。俺よりも10センチ高い背えも。光、て呼んでくれはる声も。忍足謙也て言う人を形成しよる全てのモンが大好きでしゃーないんやで。まあ、絶対教えたらへんけど。ちゅうか教えられへんけど、せやかてどないな羞恥プレイやねんて。 「いつも言うとるでしょ、あんたは隙が有り過ぎなんすわ」 テニス部で計画しとったパイ投げちゃうくてケーキ投げに顔面から突っ込んだ謙也さんにタオルを渡しながらの言葉。顔中ケーキだらけなんにへらへら締まりのあらへん笑顔を浮かべた謙也さんは俺の言葉に反論もしいひんで、せやなあ、やなんて返しよる。そないなとこも、俺の好きなあんたなんすよ、て。臆病な俺は言えへんけど。あんたがきっと喜んでくれはるんも予想出来るんにどうしたって言えへん俺を許したって下さい。 「なあ光、」 「なんすか」 俺な、その単語で始まった言葉は俺をほんまに幸せにしよる。そのほんの一割でもあんたに返したいて思うんにこの口は中々素直になれへんから。 言えへん言葉と気持ちを仰山詰めてあんたの口に噛みつけば。目えをまん丸にしはった謙也さんは一瞬の隙に俺から主導権を奪ってしもた。あほ、もうこれ以上好きにさせんといてや。 気持ち。 (ちゅー、めっちゃ甘かったなあ) (そう言うて笑う謙也さんもやっぱ俺が大好きな謙也さんそのものやった) ‐End‐ |