ちょっかい
「ほな榊君にも同じ質問してみよか、ヤキモキとか妬かれるん重いて思うん」
さっきの如月弟君との会話を聞いとったこと前提で台所から出て来た榊君に聞けば。
「…そりゃあ可愛い女の子からだったら喜んで」
そないな何とも榊君らしい答えが返ってきた。目を細めて笑う榊君のその言葉には俺も同感、せやけど今その答えを聞かされるんはなんや予想の範囲内でつまらへんさかいほな次の質問、て口に出す。
「ほな質問変えよか、俺から妬かれるんはどない思うん」
自分でもおもろい位に口の端が吊り上がるん感じたさかい榊君からやったらそら腹立つ笑顔に見えるんやろなて頭の隅で考えとったら。
「…そもそも君はそういった感情を抱かないと響也に話していたじゃないか。その質問自体が愚問だね」
す、て目えを細めて不愉快そうに呟いた榊君。なんちゅうかほんまからかい甲斐があるいうか。
「榊君に関してやったらヤキモキ妬いたっても良えで、俺は」
「…俺には関係無いことだから君の好きにすれば良い」
「ほなそうさせてもらうわ。あ、一応理由聞かしたろか」
ほんまに怒っとるんかなんや不機嫌オーラ丸出しの榊君に近付いたればおもろい位に跳ね上がる肩。
「あんたが俺に対してだけ必ず突っ掛かるんがほんま楽しいねん、それが理由」
耳元で呟いたれば思いきし後ずさりされてしもた。ほら、せやからそれがおもろいて言うとんのにね。
ちょっかい(榊君、なんや顔赤いみたいやけど大丈夫なん)
(…君は本当良い性格をしているよ)
(ふ、おおきに)
(…っ、)
‐End‐
20100820.