不意に感じた熱にうとうとと沈みかけていた意識がゆっくりと覚醒される。ごそごそとベッドをまさぐる手はつい、と伸ばされた拍子にリーマスの着ているパジャマをかすった。どうしたものかと、ゆっくりと閉じていた瞳を開いた先に居た人物に安堵の吐息を吐くと共に、どうしたの、と小さく問いかければ。 「わ、るい…起こしちゃったよな」 変身をしていないというのにまるで垂れ下がった耳でも付いているかのように普段とは違って幾分かしょげた様子のシリウスにリーマスは小さく首を傾げる羽目となったのだ。 「んーん、ぼくのことは気にしないで。それより君だよ、どうしたの、眠れないの」 眠る間際特有の僅かに拙い言葉でのそれに緩く首を振ったシリウスはおもむろにリーマスの隣へと身体を滑り込ませ、ぎゅう、と胸元へとすがり付いて見せる。 「…夢を、見たんだよ」 「そっか」 すん、と鼻一杯にリーマスの匂いを取り込み先程よりかは落ち着きを見せるシリウスの背を絶えず撫でながらも小さく頷きを返せば。今夜はこっちで寝て良いか、と。珍しく年相応な表情を見せたシリウスに微笑を洩らすリーマスの姿がそこにはあった。 午前2時04分 (リーマスの傍、好きだ) (うん、僕も、君の隣は居心地が良いよ) (…それなら、良かった) (ふふ、) ‐End‐ 20120223. (戻る) |