- ナノ -
小さな幸せが今の守るべきもの
「なあ土岐」「なん、いきなり暗くなったみたいやけど声のトーン」「まさか、そんなつもりはないさ」「ふうん、なら別に良えけど……それで、どないしたん榊君」「いや、」「妙に勿体ぶるんやね、自分らしないで」「ああ、そうだな」「ほな、はよ言うて」「なあ土岐、君は幸せかい」「愚問やね、幸せに決まっとるよ」「…愚問、か」「なん、榊君こそどうなん」「……まあ確かに、愚問だな」「せやろ」「…ふ、まさか君と、か」「夏から考えたら、訳分からんこともあるんやなあて」「確かに」「まあ良えよ、過ぎたことやし」「…ああ、そうだ」