- ナノ -

土岐蓬生×榊大地

背中にまとわり着く土岐の存在は考えないようにして目の前の活字を目で追う作業に意識を戻す。どうかしたのか、と聞いたところできっと彼は答えを寄越すなんてことはしないだろうし、それを聞いたところで俺は何かをするつもりもない。とりあえず、暫くはこのままにしておこう。小さく頷き再度意識を本へと戻した。