- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

君の声が聴こえた気がした

不意に目が覚めた夜、壁掛け時計が指す時間は深夜のそれ。隣の温もりに手を伸ばして、その腕の中に収まるようにして抱きついてみれば額にかかるのは君の寝息。れいじ、って。常よりも、存分に甘いその呼び名に胸がきゅう、っと音をたてた。ああ、悔しい、好きだよ、蘭丸。