- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

何を今更、

好きだと涙を流す嶺二の髪に触れるのは何度目になるのか。触れる髪は柔らかい、いつだって奴の人柄を表すように柔らかいそれ。おれを好きなのだと言って泣く男をおれは突き放すことが出来なかった。好き?大好き?愛してる?そんなこと、てめぇの目を見れば分かることだ。何を今更、――。