- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

逃しはしない

君が伸ばした手をぼくが払えるとでも思った?生憎と、そこまではまだ大人になりきれなかった。いつだって君の先を歩いて「年上」を見せつけたいぼくだけれど、こればっかりはまだ、無理だった。逃さないよ。交わした視線の先のストロロベリーは、不敵に笑ってその赤を細めて見せた。