- ナノ -

寿嶺二×黒崎蘭丸

幸せにはできないけれど

そう前置きして君に気持ちを告げるぼくは相変わらずずるい大人だ。「てめぇにおれの幸せ量れんのか」君はそう返してきて、それからぼくを抱き締めた。「ならおれがてめぇの分までてめぇと一緒に幸せになる」見てろよ、バーカ。笑って紡がれたその言葉に、悔しいな、涙が滲んだ。