- ナノ -

榊大地×如月律×榊大地

榊大地×如月律×榊大地

はじめのきっかけは、耳に触れた音だった。その次に意識を持っていかれたのはその姿勢と、指使い。いつまで経っても追い付くことの出来ない相手に追い縋るように指を走らせることをひたすらに続けてきた。追い付きたいけど追い越せない、追い付きたいのに抜かしたくない。相反するその気持ちを抱えながら、俺は今日も律のとなりを渡すつもりはないのだけど。